うちでは、２３ｃｍの巨アカミミガメの山村を冗談で『ご神体』と奉っていた。
ある日の事。
なにげに山村を見ると、頭の上に何やらキラリと光る物質が・・
近づいてみると、それはまさしく銀粉だった！
銀粉は大事に山村の頭から採取され、大事に保管された。
この事は、すぐに両親に知らされ、ＨＰの方へもＵＰされた。
両親は、非常にありがたがり、親類縁者に『カメから銀粉が出た！』とふれ回った。
ＨＰの常連さんの中には、ありがたいとかしわでを打つ者まで・・・。

しかし、次の日から銀粉は出なくなった。
たった一日の奇跡か・・？

そして、私は気がついた。
山村が水槽内で何かをつついている・・・
それは、あぁ・・・銀色に輝くきびなごの皮！

あの日、私は山村の食事としてきびなごを与えたのだった。

この事実をどう告げよう・・・もう後には引けない・・・。
そう言えば、宝石鑑定の会社に勤める友人がいる！
鑑定してからでも遅くはないはず・・・。
きびなごと判断するのはまだ早い。

いろんな思いが頭を駆けめぐったが、この事件簿に記する事で、アカミミ刑事は自らの過ち（早とちり）を悔い改める事とした。
２０世紀最後の珍事件であった。